『梁塵秘抄』

もう、前の事になりますが、大河ドラマ「平清盛」オープニングで「遊びをせんとや生れけむ〜」などというフレーズを覚えておられる方も居るのではないでしょうか。

これは、今様という当時の流行歌なのですが、これを編集したものが「梁塵秘抄」です。


なお、編集したのは、今様を練習しすぎて、生涯に三度喉を破ったという後白河法皇。

その様子も本人自筆で残っています。


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声をわる事三ヶ度なり。

二度は法の如くうたひかはして、声の出るまで歌ひ出したりき。

あまりせめしかば、喉はれて、湯水通ひしもすぢなかりしかど、かまへてうたひ出しき。

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う〜ん、壮絶ですね。

「今様狂い」と呼ばれていたそうですがまさに相応しい人でしょう。


さて、そんな法皇渾身の『梁塵秘抄』から、いくつか見てみましょう。


「仏は常にいませども、うつつならぬぞあはれなる、人の音せぬ暁に、ほのかに夢に見え給ふ。」


「仏も昔は人なりき、我等もついには仏なり、三身仏性具せる身と、知らざりけるこそあはれなれ」


「遊びをせんとや生れけむ、戯れせんとや生れけん、遊ぶ子供の声きけば、我が身さえこそ動がるれ。」


「我といへば稲荷の神もつらきかな、人のためとは思はざりしを」



全体としては、神仏を題材としたものが多いのですが、民俗を扱ったものもあり、当時の情景が伺えます。


何より、いつも歌が時代を映し出すのだなあ、と思います。


ぜひ、かつての流行歌を一度ごらんになってはいかがでしょうか。