『アメリカ仏教』

『アメリカ仏教』

私の祖父は、アメリカで生まれました。
曾祖父が出稼ぎのためアメリカに渡り、働いていたからです。

祖父は3才までワシントン州のシアトルで成長しましたが、時代が良くありませんでした。
太平洋戦争前夜、日米関係が悪化する中で、逃げるように帰国したそうです。
苦労して働いた財産も、全く持ち出せず、身一つだったと言います。
曾祖父は、東本願寺の僧侶であった兄を頼り、京都に住みました。

しかし、アメリカに残った日本人はさらに悲惨で、財産を没収され、強制収容所へ入れられ、生活を破壊されます。

このような時代ですから、仏教と言っても、アジアの後進的な宗教という扱いだったようです。
自分が日本人であるとか、仏教徒であると言うことを、差別を避けて隠したい時代です。

ところが、現在のアメリカではアジア系の子孫というワクを超えて、仏教徒が増加しています。
現在の人口は約300万人で、総人口の1パーセントを超える程になりました。
近年、減少傾向のユダヤ教を上回り、アメリカ第2の宗教となる時も近いそうです。

いったい、どのような変化があったのでしょうか?

その理由は幾つもあるのでしょうが
禅や瞑想ブームがあったこと(日本のヨガのように、健康のため取り入れている人も多いようです)
ダライ・ラマの影響力(中国に対する政治的な対立感情もあるでしょう)
一神教ではない考え方を模索する人も多かった

というような理由が挙げられています。

それで、この本ですが、アメリカ在住の本願寺派僧侶であり研究者である著者が、アメリカ仏教の概説書として書いたものです。

アメリカ仏教の現状・歴史・特徴など、手際よくまとめられており、全体像を把握するには最適と思い、紹介させていただきした。

私が個人的に思うのは、現在の先進国で、仏教の価値とか本質とは何か?を探るにもとても良い本だと思います。