第二段 立義分


(概要)

すでに因縁分(この本を書いた理由)を説いたので、次に立義分(総論)を説きます。

 

〔法と義〕

(a)大乗とは何かを説明するには、二つの視点が必要です。その二つとは何でしょうか?。

 

一つめは法(存在)、二つめは義(意味)です。

つまり、大きな乗り物という存在は何なのか?

そして、大きな乗り物とはどういう意味なのか?

 

〔一心〕

(a1) 大乗とは何なのか?それは、人の心です。

この心には、迷いの世界と悟りの世界のすべてが含まれています。

この心によって、大きな乗り物の意味を説明します。

 

〔二門〕

⑴それはなぜでしょうか?

この「心のありのままのすがた」が、そのまま「大乗それ自体」だからです。

⑵そして、この心が「生滅変化の原因となるすがた」は、「大乗それ自体の性質とはたらき」だからなのです。

 

〔三大〕

(a2) 次に、大きな乗り物とはどういう意味なのでしょうか?

それには三つの意味があります。

その三つとは何でしょうか?。

 

⑴一つめは、「存在そのものが大きい」という意味です。

なぜなら、あらゆる存在(心・大乗)は、「ありのまま」「ひとつ」であって、増えたり減ったりしないからです。

 

⑵二つめは、「その性質が大きい」という意味です。

なぜなら、心には母胎にやどる胎児のようにブッダをやどし、無限の徳性をそなえているからです。

 

⑶三つめは、「そのはたらきが大きい」という意味です。

なぜなら、迷いの世界と悟りの世界の、あらゆる善の、原因とその結果を生み出すからです。

 

〔乗〕

(b)すべての仏陀はこの心に乗って、悟りへ至られました。

また、すべての菩薩はこの心に乗って、悟りへ至られます。

ですから、心を大きな乗り物と呼ぶのです。